はじめまして、西北おの皮膚科の院長の小野さち子と申します。ホームページをご覧いただき有難うございます。
私は愛知県で生まれ育ち、大学より関西に住み、京都大学医学部、京都大学医学部附属病院ならびにその基幹病院で医学を学んで参りました。もともと肌が弱く、湿疹やにきび等の肌の不調に悩まされておりましたので、自然と皮膚科を専攻いたしました。皮膚科では、はじめに大学病院で皮膚科後期研修を行ったのち、大阪赤十字病院皮膚科・済生会中津病院といった総合病院皮膚科で経験を積みました。大阪赤十字病院は医局内で有数の規模の総合病院で、指導力と決断力ある部長のもと、ありふれたものから全身管理を必要とする難しい皮膚疾患、粉瘤切除等の皮膚の小外科手術から全身麻酔管理下の悪性腫瘍切除術までと幅広く経験しました。済生会中津病院では博識でおだやかな部長のもと、近隣クリニックからご紹介頂いた多くの外来・入院患者さんの診療を行いました。部長や先輩医師、コメディカルとの関わりを通じ、一人一人が知識や技量を高める以上に、スタッフ同士がよく連携し医療にあたることが、患者さんの信頼や良い治療に大切であることを学びました。
その後再び大学に戻り、椛島健治教授のご指導のもと、湿疹・アトピー・乾癬・円形脱毛症・皮膚水疱症など、主に免疫性の皮膚疾患について研究や執筆を行いました。その中で、“血中の抗体がどのように血管から出て皮膚に行くか”というテーマが実を結び、Nature Communications誌に掲載され、皆見賞という皮膚科で最も栄誉ある賞をいただくことができました。また、大学病院では一般・アレルギー・血管炎の分野での専門外来も同時に担当しておりました。時には県を越えて通院くださる患者さんは、診断も治療も一筋縄ではないことが多く、一つ一つの症例について疑われる疾患の最新の知見を調べ、大学の皆で意見をすり合わせながら方針を立て、最終的には自らの責任のもと診断・治療しました。大学で研究と臨床を通し、個々の疾患や症例を掘り下げて考えたことは、大きな成長の機会であったと感じます。
その後転居もあり、兵庫県下では、兵庫医科大学皮膚科に京都大学ご出身の金澤伸雄教授が御着任された縁で、関連病院の一つである近畿中央病院皮膚科や、個人クリニックでの非常勤診療を担当しておりました。
皮膚科診療の中でその中でよく感じることは、皮膚疾患は急に変化するということ、ありふれた皮膚疾患の中に診断を間違えやすかったり難治性だったり重症となりうる疾患が隠れているということです。また、肌の不調はメンタルにも大きく影響し日常生活への障壁となります。これまで大学、総合病院、クリニックと様々な場で学んできたことを活かし、今後も知識や手技の研鑽に励み、患者さんの悩みに寄り添って共に解決していきたいと考えています。ご縁あり、活気にみちたこの西宮北口に開業することができ、とても嬉しく存じます。ご近所の方々が気軽に通え、皮膚について相談できるような医院を目指してまいります。
略歴
2003年 愛知県立旭丘高等学校卒業
2009年 京都大学医学部医学科卒業、京都大学医学部附属病院研修医
2011年 大阪赤十字病院皮膚科
2012年 大阪済生会中津病院皮膚科
2013年 京都大学大学院医学研究科博士課程入学、日本学術振興会特別研究員(DC1)
2017年 京都大学大学院医学研究科博士課程修了、日本学術振興会特別研究員(RPD)、京都大学皮膚科副医局長
2020年 大阪府済生会中津病院皮膚科、近畿中央病院皮膚科、兵庫県内クリニック皮膚科にて勤務
2023年 西北おの皮膚科開業
所属学会および資格
日本皮膚科学会正会員、日本美容皮膚科学会正会員
皮膚科専門医(機構認定専門医制度)、難病指定医
京都大学医学博士
受賞歴
- 令和2年度 日本皮膚科学会 皆見省吾記念賞 ”Abl family tyrosine kinases govern IgG extravasation in the skin in a murine pemphigus model.”
- 第27回日本樹状細胞研究会 優秀演題賞 2017年 “マウス慢性皮膚炎症モデルにおける樹状細胞動態による高内皮静脈様血管の形成”
- Kligman Travel Fellowship Awards. Society of Investigative Dermatology, Arizona. 2016 ”c-Abl in the blood vascular endothelial cells regulates homeostatic IgG transport to the skin.
学術雑誌ならびに教科書への寄稿
- 小野さち子、本田哲也.皮膚潰瘍のさまざまな原因ー右下腿潰瘍に引き続き脳梗塞を発症した抗リン脂質抗体症候群の一例. Visual Dermatology.2023年2月号.(株)Gakken.
- 小野さち子、椛島健治.ランゲルハンス細胞と真皮樹状細胞の機能的差異.炎症と免疫. 2020年3月号 第164号vol.28 no.2 .先端医学社.
- 小野さち子.血管ー皮膚免疫応答の要所ーWhat’s new in 皮膚科学2018-2019. p26-27. メディカルレビュー社.
- 小野さち子、本田哲也.Q38:皮膚からの細胞分離方法と代表的な染色パネルを教えてください. 実験医学別冊.2017.11.20.第1版発行. p130-133羊土社.
- 小野さち子、椛島健治. 【樹状細胞とマクロファージ】 皮膚免疫における樹状細胞・マクロファージの役割. 日本臨床免疫学会会誌. 2016:39(5)448-454.
- Ono S, Kabashima K. Skin immune system: microanatomy, Encyclopedia of Immunobiology 1st Edition. 2016.p446-449.
- 小野さち子、本田哲也. “特集:接触皮膚炎をみる:接触皮膚炎のイメージング”、皮膚アレルギーフロンティア、メディカルレビュー社、2016:14(3)23-27.
- 小野さち子、椛島健治. “仮説と戦略 誘導型皮膚関連リンパ組織”、生体の科学、医学書院、2016:67(1)86-90.
- 小野さち子、椛島健治. “誘導型皮膚関連リンパ組織”、臨床免疫・アレルギー科、科学評論社、2015:63(2)175-181.
他、国内症例報告5報。
主な執筆論文
- Ono S, Egawa G, Nomura T, et al. Abl family tyrosine kinases govern IgG extravasation in the skin in a murine pemphigus model. Nat Commun. 2019 Sep 30;10(1):4432.
- Honda Y, Ono S, Honda T, et al. Murine neonatal skin mast cells are phenotypically immature and minimally sensitized with transplacentally transferred IgE. J Allergy Clin Immunol. 2019 Aug;144(2):617-620.e5.
- Ono S, Honda T, Kabashima K. Requirement of MHC class I on radioresistant cells for granzyme B expression from CD8+ T cells in murine contact hypersensitivity. J. Dermatol. Sci. 2018 Apr;90(1):98-101.
- Ono S, Honda T, Kabashima K. Concurrence of psoriasis vulgaris and atopic eczema in a single patient exhibiting different expression patterns of psoriatic autoantigens in the lesional skin. J. Am. Acad. Dermatol. Case reports 2018 Apr 30;4(5):429-433.
- Ono S, Egawa G, Honda T, et al. Intravenous immunoglobulin treatment abrogates transplacental autoantibody transfer in a murine pemphigus model. J. Allergy Clin. Immunol. 2018;141, 2273-2276.e1.
- Ono S, Egawa G, Kitoh A, et al. Local inflammation exacerbates cutaneous manifestations in a murine autoimmune pemphigus model. J. Allergy Clin. Immunol. 2017;139, 2026-2028.e5.
- Ono, S, Egawa G, Kabashima K. Regulation of blood vascular permeability in the skin. Inflammation and Regeneration. 2017:10;37:11. doi: 10.1186/s41232-017-0042-9. eCollection 2017. Review.
- Honda Y, Otsuka A, Ono S, et al. Infiltration of PD-1-positive cells in combination with tumor site PD-L1 expression is a positive prognostic factor in cutaneous angiosarcoma. Oncoimmunology. 2016; 6:e1253657
- Ono S, Kabashima K. Novel insights into the role of immune cells in skin and inducible skin-associated lymphoid tissue (iSALT). Allergo J Int. 2015; 24: 170–9.
- Ono S, Kabashima K. Proposal of inducible skin-associated lymphoid tissue (iSALT). Exp Dermatol. 2015;24(8):630-1.
- Natsuaki Y, Egawa G, Nakamizo S, Ono S, et al. Perivascular leukocyte clusters are essential for efficient activation of effector T cells in the skin. Nat Immunol. 2014 Nov;15(11):1064-9.
- Ono S, Tanizaki H, Otsuka A, et al. Coexistent Skin Lesions of Vitiligo and Psoriasis Vulgaris. Immunohistochemical Analyses for IL-17A-producing Cells and Regulatory T cells. Acta Dermatol Venereol. 2014 May;94(3):329-30.
- Ono S, Otsuka A, Kataoka TR, et al. Serum granusin as a positive key marker of activity of alopecia areata. J Dermatol Sci. 2014 Jan;73(1):74-9
他、英文症例報告15報。